静岡県内の飲食店のホームページを31店ぶん、実際に開いて調べました。
思いつきではありません。
お客さまから「うちのサイト、どうなんでしょう」と聞かれることが多いのに、比べる相手の実態を誰も知らないからです。
先に結論を書きます。
- トップページの重さは、店によって430倍の差がありました
- 半数の店は、スマホから電話番号をタップして発信できません
- 7割の店は、検索エンジンに向けた説明を持っていません
- 1店は、検索結果に出てくるのにサイトが開きませんでした
順番に書きます。
調べ方を先に書きます
数字だけ出されても判断できないので、どうやって集めたかを先に開示します。
対象の集め方
「静岡市 居酒屋 公式サイト」のように、地域と業種を変えながら19回検索しました。
そこで出てきた個人店・地域の店の公式サイト31件が対象です。
大手チェーンの店舗ページ、ホテル内のレストラン、観光協会や漁協のページは外しました。
調べた項目
各サイトのトップページを1回ずつ開いて、以下を機械的に測っています。
| 項目 | 何を見たか |
|---|---|
| 表示の重さ | HTMLと画像10枚までの合計サイズ |
| スマホ対応 | スマホ用の表示指定があるか |
| SNSでの見え方 | URLを貼ったとき画像が出る設定があるか |
| 電話のかけやすさ | 番号をタップして発信できるか |
| 検索エンジン向けの説明 | 店の情報を機械が読める形で持っているか |
やっていないこと
サイトの中まで巡回していません。
トップページだけです。
見た目の良し悪しも判定していません。
店名は出しません。
特定の店を批評する記事ではないからです。
1. トップページの重さが430倍違う
一番差が出たのがここです。
| 大きさ | |
|---|---|
| 一番重い店 | 12,058KB(約12MB) |
| 真ん中 | 690KB |
| 一番軽い店 | 28KB |
一番重い店は、トップページの画像10枚だけで12MBありました。
写真を撮ったまま、加工せずに載せている状態です。
1MBを超える店が11件(37%)、2MBを超える店が7件(23%)ありました。
なぜこれが問題かというと、お店を探している人はたいてい外にいるからです。
駅のホーム、車の中、電波の弱い店内。
そういう場所で12MBのページを開くと、写真が出そろう前に閉じられます。
軽い店との差は430倍です。
料理の写真をきれいに見せることと、ページを重くすることは別です。
同じ写真でも、形式を変えるだけで1/5から1/10になります。
2. SNSに貼っても画像が出ない店が37%
URLをLINEやXに貼ったとき、本来は写真とタイトルが付いたカードが出ます。
これが出る設定になっていない店が11件(37%)ありました。
飲食店では効きます。
「ここ行かない?」とURLを送ったときに、料理の写真が出るか、味気ない文字列だけが出るか。
送られた側の反応は変わります。
設定自体は数行で終わる話で、費用もかかりません。
3. 半数はスマホから電話をかけられない
15件(50%)が、電話番号をタップして発信できない作りでした。
誤解のないように書くと、電話番号は載っています。
その番号が画像になっていたり、ただの文字として置かれていたりして、スマホでタップしても何も起きません。
番号を覚えて、電話アプリを開いて、押し直す必要があります。
飲食店の予約は電話がまだ主力です。
そのひと手間で、何件か落としている可能性があります。
4. httpのままアクセスすると警告が出る店が4件
サイトのURLには `http` と `https` があります。
`https` は通信が保護されている状態で、`http` はされていない状態です。
いま `http` のままだと、ブラウザが「保護されていない通信」と警告を出します。
4件が、`http` でアクセスしたときに `https` へ切り替わりませんでした。
予約フォームがあるサイトだと、入力をためらわれます。
これも設定の話で、追加費用なしで直せることがほとんどです。
5. 検索エンジン向けの説明がない店が7割
21件(70%)が、店の情報を機械が読める形で持っていませんでした。
これは人間の目には見えない部分の話です。
営業時間、住所、電話番号、料理のジャンル。
こういう情報を決まった書式で書いておくと、検索エンジンやAIが正確に読み取れます。
昔は「検索結果に星やパンくずが出る」程度の効果でしたが、いまは意味が変わってきています。
ChatGPTやGeminiに「静岡でおすすめの寿司屋は」と聞く人が増えました。
AIは答えを作るときに、機械が読める形の情報を優先して拾います。
書いていない店は、そもそも候補に入りません。
7割の店がここを空けたままにしている、という状況です。
1件はサイトが開きませんでした
31件のうち1件は、検索結果に出てくるのにページが開きませんでした。
サーバーからは「そのページはありません」という応答が返ってきます。
原因までは分かりません。
移転したのか、更新が止まっているのか、どこかの設定が切れたのか。
ただ、検索から来た人には「潰れた店」に見えます。
自分のサイトが今日も開いているかどうかは、月に一度スマホで開いてみるだけで分かります。
そもそも、公式サイトが検索に出てきません
これは調べていて一番驚いた点です。
31件を集めるのに、19回検索する必要がありました。
検索結果の大半は、食べログ・ホットペッパー・じゃらん・Rettyといったポータルサイトで埋まっています。
磐田・袋井の中華料理と、伊東・下田の定食にいたっては、個人店の公式サイトが1件も出てきませんでした。
つまり、ポータルに情報を預けて、自分のサイトは検索から見えなくなっている店が多いということです。
ポータルが悪いわけではありません。
集客力はありますし、掲載料を払う価値がある場面もあります。
とはいえ、ポータル経由のお客さまは、隣の店の情報も一緒に見ています。
自分のサイトは、比較の外側で話ができる唯一の場所です。
自分で確認する方法
道具はいりません。
スマホだけでできます。
1. 自分の店の名前で検索して、公式サイトが出てくるか見る
2. 出てきたら、スマホで開いて何秒かかるか数える
3. 電話番号をタップして、発信画面が出るか確かめる
4. URLを自分のLINEに送って、写真付きのカードが出るか見る
5. URLの頭に `http://` と打って開き、警告が出ないか見る
このうち1つでも引っかかったら、直す価値があります。
どれも作り直しではなく、設定の修正で済むことが多い部分です。
作り直しが必要かどうかの線引きは静岡で古いホームページを作り直す費用と進め方に書きました。
この調査の限界
正直に書いておきます。
母集団に偏りがあります。
「検索で公式サイトが見つかった店」だけを見ています。
サイトを持っていない店、検索に出てこない店は入っていません。
実際の県内の飲食店全体で見れば、状況はもっと厳しいはずです。
トップページしか見ていません。
サイトの中の予約ページやメニューページは調べていません。
31件は少ないです。
もっと集めたかったのですが、公式サイトが検索に出てこないので、これ以上は手作業になります。
数字は傾向として読んでください。
まとめ
調べてみて分かったのは、多くの店が「作ったところで止まっている」ということでした。
サイトはある。
写真も載っている。
でも、スマホから電話がかけられない。
SNSに貼っても画像が出ない。
開くのに時間がかかる。
どれも作り直しの話ではなく、設定の話です。
まず自分の店のサイトをスマホで開いてみるところからで十分だと思います。
そのうえで作り直しを考えることになったら、静岡でホームページ制作を頼むときの費用相場と選び方に価格帯ごとの違いをまとめています。
上に書いた5つの確認は、全部で5分あれば終わります。
自分で見て分からなければ、URLを送っていただければこちらで見ます。
直したほうがいい点があれば、その場でお伝えします。



