「静岡 ホームページ制作 格安」で検索すると、3万円台の料金表が並びます。
そのすぐ下に「安いサイトには気をつけて」と書いてある記事も出てきます。
どちらも間違ってはいません。
ただ、これだけでは何も決められない。
安いのには理由があります。
その理由は、ほとんどの場合「工程を削った」ことです。
問題は削ったこと自体ではなく、削られたものが自分にとって必要だったかどうかにあります。
私は3万円からの帯で受けている側なので、この記事は身内の話になります。
何を削っているのか、削らずに残しているのは何か。
内側から書きます。
安さの正体は、作業の量
制作費はほぼ人件費です。
材料費がかかるわけではないので、金額の差は「何時間ぶんの作業が入っているか」の差になります。
3万円と30万円のあいだで、実際に消えている工程はだいたい決まっています。
デザインを一から起こす工程が最初に消えます。
格安の帯は、すでにあるデザインに文章と写真を差し替えて公開する作り方です。
配色を決める、レイアウトを考える、他の案と比べる。
この時間がまるごと無くなるので、金額にいちばん大きく効く。
打ち合わせの回数も減ります。
30万円の帯なら、要望を聞く回、デザイン案を見せる回、修正を確認する回と、少なくとも3回は顔を合わせて認識をすり合わせていきます。
格安帯は1回で全部聞いて、あとはメールで進める形が多い。
原稿と写真を誰が用意するかも分かれ目です。
聞き取りをして文章を書き起こす作業は、慣れていても半日から1日かかります。
素材をそのまま受け取れるなら、その工程は発生しません。
情報設計もほぼ入りません。
どんな人が来て、何を見て、どこで問い合わせるか。
この道筋を組み立てるのは本来いちばん頭を使うところで、ページ数が増えるほど必要になります。
1ページなら考えることが少ないので、省いても成立します。
逆に言えば、削られているのはここまで。
「安いから雑に作る」のではなく、「一から考える工程を最初から持っていない」というのが実態に近いです。
削ってはいけないものは、値段と関係ない
一方で、値段に関係なく入っていないと困るものがあります。
- スマホで崩れずに読めること
- 通信が暗号化されていること(URLが `https` で始まる)
- 問い合わせフォームから送ったメールが、ちゃんと届くこと
- 表示が重すぎないこと
- SNSやLINEで共有したときに、画像とタイトルが出ること
これらは工数がほとんどかからない代わりに、抜けていると気づかれにくい。
とくにフォームは厄介です。
このサイトを公開する前、自分宛にテスト送信をしたら外部のメールアドレスに届きませんでした。
画面には「送信しました」と出ています。
それでも届かない。
原因はサーバー側の仕様で、認証なしで投函したメールは外部へ配送されないようになっていました。
送信の仕組みを入れ直して直りましたが、あのとき試していなければ、問い合わせが来ないのを「まだ知られていないから」だと思い込んだままだったはずです。
フォームが置いてあることは、画面を見れば誰でも確認できます。
届いているかどうかは、送ってみないと分からない。
見積もりが安いこと自体は問題ではありません。
この5つが入っていない見積もりが問題です。
「省かれたまま」公開されているサイトは実際にある
先日、静岡の飲食店31店の公式サイトを1件ずつ機械で測りました。
その数字が、ここでの話とそのまま重なる。
30件を測って、こうなりました。
| 項目 | 抜けていた割合 |
|---|---|
| スマホから電話をかけられる形になっていない | 50% |
| SNSで共有したとき画像が出ない | 37% |
| トップページが1MB以上ある | 37% |
トップページの推定容量は、いちばん軽い店で28KB、いちばん重い店で12,058KB。
同じ「飲食店のトップページ」でも、開くときに読み込む量がここまで違います。
この調査は価格帯で分けていないので、「安く作ったサイトだから抜けている」とは言えません。
自分で作った店も、しっかり作られた店も混ざっています。
それでも傾向として、抜けているのはいつも同じところでした。
電話のかけやすさ、共有したときの見え方、画像の重さ。
どれも作った直後には気づかず、公開してから効いてくるものばかりです。
安く頼んでいいケース、やめたほうがいいケース
工程が削られている以上、向き不向きははっきり出る。
安く頼んで問題ないのは、こんな場合です。
- ページが1〜3枚で足りる
- 載せたい内容が自分の中で決まっている
- 写真がすでにある、または無くても困らない
- まず「検索したときに出てくる状態」を作りたい
この条件に当てはまるなら、そもそも自分で作る道もあります。
どちらを選ぶかの分かれ目は自分で作るか、業者に頼むかに書きました。
逆に、格安帯を選ぶと後で作り直すことになりやすいのは、次のような場合。
- 問い合わせや予約を、目に見えて増やしたい
- 同業のサイトと並べたときに違いを出したい
- 扱う商品やメニューが多く、整理して見せる必要がある
- 公開後に自分でどんどん更新していきたい
上の4つは、削られた工程がまさに効いてくる領域です。
デザインを起こす工程と情報設計を省いた状態で「同業と並べたときに違いを出したい」と言われても、その差を作るための材料が最初から入っていません。
判断に迷うなら、目的から逆算するのが早い。
存在を示すためのページなら格安帯で足ります。
成果を動かしたいなら、そのぶんの工程が要る。
相場の全体像は静岡でホームページ制作を頼むときの費用相場と選び方に書きました。
格安で頼むとき、見積もりの前に聞くこと
安い見積もりを比べるときに、ここだけは確認しておくと後で困りません。
1. スマホでの見え方を、実機で見せてもらえるか
パソコンの画面で整っていても、スマホで崩れることはよくあります。
制作中のものを自分のスマホで開かせてもらえるか、聞いてみてください。
断られる理由は普通ありません。
2. 公開したあと、自分で直せる範囲はどこまでか
「営業時間だけ変えたい」がその都度有料になると、少しずつ古くなっていきます。
文章の差し替えを自分でできる作りなのか、依頼が必要なのか。
依頼する場合はいくらかかるのか。
3. ドメインとサーバーは誰の名義で契約するか
ここは金額より大事です。
制作者の名義で契約されていると、あとで別の人に頼みたくなったときに引き継げません。
連絡が取れなくなれば、サイトごと止まります。
自分の名義で契約できるかを、必ず確認してください。
静岡で「格安」を探すときに起きること
静岡市や浜松市には制作会社がそれなりにあるので、地元だけで相見積もりを取れる。
沼津市や富士市、焼津市になると選択肢は減ります。
ただ、格安帯に限って言えば、地元かどうかはあまり関係がありません。
理由は単純で、この帯はもともと打ち合わせが1回程度だからです。
会って話す回数が少ないなら、相手が近くにいる利点も小さくなります。
むしろ効いてくるのは、やり取りが文字で残るかどうか。
「言った言わない」が起きたとき、メールやチャットに残っていれば戻って確認できます。
安い案件ほど、確認の往復に時間をかけられません。
参考:マクシーンの場合
最後に、自分の料金も書いておきます。
価格はすべて税込です。
おまかせプランが3万〜5万円で、最短5営業日。
1〜3ページ、用意されたデザインに文章と写真を差し替える作り方です。
まさにこの記事で書いた「削っている」帯にあたります。
4〜6ページにすると2万円追加、ブログを自分で更新できるようにすると1万円追加。
配色やレイアウトから調整したい場合はセミオーダープランで10万〜20万円、2〜3週間です。
削っていないものも書いておきます。
スマホ表示の確認、SSL、フォームからのメールが実際に届くかのテスト、画像の軽量化、SNS共有時の画像設定。
先ほど「値段と関係ない」と書いた5つは、いちばん安いプランでも入っています。
サーバーとドメインはお客さまご自身の名義で契約していただきます。
私が代わりに契約して手数料を上乗せすることはありませんし、後から別の人に引き継ぐこともできます。
条件を選ぶと概算がその場で出るかんたん見積もりもあります。
7つの質問に答えるだけで、メールアドレスの入力は不要です。
安く作ること自体は、悪いことではありません。
予算に合った作り方を選んで、削られている部分を自分が分かっていれば、それは正しい選択です。
困るのは、削られていることに気づかないまま公開してしまうこと。
見積もりをもらったら、金額の下に「入っていないもの」を書き出してみてください。
それが自分にとって要らないものばかりなら、その見積もりは安いのではなく、ちょうど合っている。



